温暖化とは

産業革命以降、人間の活動による化石燃料の使用や森林の減少などにより、大気中に二酸化炭素などの温室効果ガスが蓄積され、その急激な増加によって地球規模で気温や海水温が上昇しています。

この結果、世界の平均的気温の上昇のみならず、異常高温や大雨・干ばつが増加し、水資源や農作物に影響が及び、将来、食糧や生態系、健康への深刻な被害を引き起こすのではないかと心配されています。

気候の変動によって起きると予測される事態に対して、どう対処し、解決策を見出していくか、今、真剣に考えなければなりません。

国連環境計画の最新の報告によると去年1年間に世界で排出された温室効果ガスの排出量は535億トンに達し、前年比1.3%増え、過去最高を記録したということです。そして今のままでは、2030年には590億トンになり異常な気候変動が起きる恐れがあるとしています。

ポーランドで開かれているCOP24 でも温室効果ガスの排出削減目標値をもっと高くする必要があるという声が出ているようです。

毎年12月に開催される国連の地球温暖化対策の会議「COP24」が始まりました。3年前に決まった「パリ協定」の実施に必要な国際的ルールを取り決めるのが主な目的です。

パリ協定では、今世紀末の世界の気温を産業革命前と比べて2℃未満(できれば1.5℃)にする目標が定められており、その実現のために温室効果ガスの排出を今世紀後半に実質ゼロにすることを目標としています。しかし、アメリカがパリ協定からの脱退を表明しブラジルも後ろ向きの状況にあるといわれています。

こうした中で、日本に対しても石炭火力発電の新設計画や海外での建設支援について厳しい目が向けられており、温暖化防止対策への日本のあり方が注目されています。

WMO(世界気象機関)によると今年10月までの世界の平均気温は観測が始まった1850年以降で4番目に高く、産業革命前に比べて1.1℃上昇したということです。

そして今のままの傾向が続けば、今世紀末までの気温上昇を2℃未満に抑えるというパリ協定の目標は困難で、3~5℃も高くなる恐れがあるといいます。

世界の国々がこの現実を理解し温暖化防止対策に更に力を入れる必要があります。

電気自動車は運転によるCO2の排出はありませんが、電源となる電気を供給するのにCO2を大量に発生させるのでは意味がないという指摘があります。それについて、この度、注目すべきニュースが報道されました。

それによると、中部電力とトヨタなどが連携して、CO2を排出しないCO2フリーな電力を用いた電気自動車の充電サービスを開始する実証実験を12月25日から始めるということです。

これにより、再生可能エネルギーの利用が拡大され、かつ電気自動車の普及も促進されることが期待できます。環境に配慮しながら顧客の利便性にも貢献できそうです。

中部電力では、再生可能エネルギーの普及を目指すトヨタのエコファンドにも参画するということで、このような動きが他の地域にも広がっていくことを期待したいと思います。

環境省では国民運動COOL CHOICE(賢い選択)を掘り下げるべく、「家電は10年たったら買換えどき」地球に優しい省エネ家電を選んでNon温暖化を推進しています。例えば、冷蔵庫は10年前と比べて約-49%、照明器具は電球をLEDにすれば約-85%、テレビは7年前と比べて約-34%、エアコンは10年前と比べて約-5%、温水洗浄便座は10年前と比べて約-19%の節電になるということです。

これらを5つ星省エネ家電として例示しています。そして、地球温暖化を加速させる赤鬼とそれを制する子どもたちとのやりとりが描かれた動画が人気を集めています。

 【透明感あふれるあの女優が?!赤鬼に?!】みんな温暖化がダメだって頭ではわかってんだよ。古いエアコンや冷蔵庫を使いつづけ、「安いから」と白熱灯を買う大人たち。知らず知らず、いや、わかってるくせに、CO2の排出を増やし続けている大人は、地球をどんどん真っ赤に鬼熱くしていく赤鬼だ。ここにまた、赤鬼化してしまった大人がひとり、、

経済産業省によると再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の見直しを検討するようです。太陽光発電の認定を受けながらまだ発電を始めていない未稼働施設については、認定の取り消しや買い取り価格の減額も含め検討するといいます。

その理由は、制度導入当時(2012~14年)事業用太陽光の買い取り価格は40~32円(1キロワット時)と現在の買い取り価格(18円)を大きく上回って設定されており、太陽光パネルの導入費が安くなっている中、未稼働の施設がすべて稼働すると産業界や家庭の負担が大きく膨らむ可能性があるといいます。

その結果、買い取り余力がなくなり他の再エネの普及にも影響を及ぼす恐れがあるようです。現在、日本の総発電量に占める再エネ比率は約15%で、30年度の電源構成(再エネ比率22~24%)を達成するには未稼働の太陽光施設がすべて稼働しても足らず、買い取り価格を下げて、産業や家庭の負担を増やさずに発電施設を更に増やす必要があると考えられています。

再エネの更なる普及に好影響を及ぼす対策が講じられることを期待したいと思います。

去年、大西洋やカリブ海で多く(例年の2倍の6個)の大型ハリケーンが発生したのは温暖化による海水の上昇が要因であるという研究結果がアメリカで発表されました。

ハリケーンは南米ペルー沖の東太平洋で海水温が低くなるラニーニャ現象が起きると増えるとされていますが、昨年はこの影響は少なかったと報告されています。

日本でもこのところ台風の本土上陸が多く、気になるところです。

国民運動クールチョイスに率先して取り組んでいる“人・グループ”およびクールチョイスを広げるための“アイデア”を環境省が募集しています。

10月19日(金)必着です。地球温暖化に立ち向かうリーダーの募集です。

募集部門は5部門あります。詳しくは下記の公式ページをご覧ください。

 【CCアワード】環境省が大募集!日本と世界を「クール」にする人。「COOL CHOICE」に率先して取り組んでいる“人・グループ”及び、「COOL CHOICE」を広げるための“アイデア”について募集します。

国が目標とする2030年度の温室効果ガス排出削減目標26%(2013年比)を達成するためには、家庭・業務部門でそれぞれ約40%、運輸部門で約30%の削減が必要とされています。

既に、環境大臣をチーム長とした「COOL CHOICE」推進チームが設けられていますが、今夏の豪雨災害や記録的な酷暑に象徴されるように地球温暖化や気候変動の影響の拡大が懸念されることを踏まえ、国民とともに危機意識を共有し低炭素型の製品・サービス・ライフスタイルを優先して選ぶ「賢い選択=COOL CHOICE」を広げ、一大ムーブメントとすべく、更なる取り組が進められています。前述の環境大臣を長とする推進チームの下に5つの分野別作業グループが設けられ、目標達成の活動が進められています。

5つのグループとは、「省エネ家電買換え促進」「省エネ住宅推進」「低炭素物流推進」「エコカー買換え促進」「ライフスタイル(スマートムーブ、カーシェアリング等)推進」です。広く国民を対象とするCOOL CHOICE普及啓発に合わせて各グループにおいて、経済界・自治体・NPOが連携した活動を展開する骨組みになっています。

水素ネルギーを使った、二酸化炭素を排出しない燃料電池で動く電車が世界で初めて実用化され、ドイツで営業運転が始まることになりました。

電車には水素を充填したタンクが取り付けられ、この水素と空気中の酸素から電気を起こすもので、今後の動きが注目されています。

移動による二酸化炭素の排出はありませんが、今のところ水素を製造する過程で二酸化炭素が発生するのが問題で、将来、水素の製造過程でも発生が抑制される取り組みが必要と言われています。