「出水ツルの越冬地」(鹿児島県出水市)がラムサール条約の湿地に登録されました

2021/11/30

環境省は令和3年11月18日(木)に、「出水ツルの越冬地」(鹿児島県出水市)が、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)の国際的に重要な湿地に登録されたと発表しました。

出水ツルの越冬地は、鹿児島県北部の出水平野に位置し、高尾野川、野田川及び江内川の3本の河川が流れ込む八代海に面する、干拓地を中心とした田園地帯で、夏季は水稲、冬季は野菜等が栽培されています。

 

冬期には、ツル類やカモ類が集団渡来し、採餌や休憩に利用するなど、毎年平均37,000羽を超える渡り鳥の越冬地として重要な区域となっており、特に、絶滅危惧種のナベヅルは全世界の総個体数の約9割に当たる8,000から10,000羽、同じくマナヅルは約5割に当たる2,000から3,000羽が毎年飛来しています。

今回の「出水ツルの越冬地」の登録により、我が国のラムサール条約湿地数は、53カ所、総面積は155,174 haとなったとのことです。

 

なお、琵琶湖は、平成5年(1993年)6月に登録されています(西の湖は平成20年(2008年)に拡大登録されました)。

 

特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約は、1971年(昭和46年)2月2日にイランのラムサールという都市で開催された国際会議で採択された、湿地に関する条約です。

ラムサール条約では、特に水鳥の生息地等として国際的に重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全及びワイズユース(持続可能な利用)を促進することを目的とし、各締約国に対してその領域内にある湿地を1ヶ所以上指定し、条約の湿地登録簿に登録することを求めるとともに、湿地及びその動植物、特に水鳥の保全促進のために各締約国がとるべき措置等について規定しています。

我が国は、1980年(昭和55年)10月17日に加入し、その際、釧路湿原をラムサール条約湿地として指定し、条約事務局に登録しています。