地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案が閣議決定(環境省報道発表)

2021/03/09

「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」が3月2日(火)に閣議決定され、第204回通常国会に提出される予定です。

本法案は、パリ協定に定める目標(世界全体の気温上昇を2℃より十分下回るよう、更に1.5℃までに制限する努力を継続)等を踏まえ、我が国は、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言したことや地域では2050年カーボンニュートラルを目指す「ゼロカーボンシティ」を表明する自治体が増加し、企業ではESG金融の進展に伴い、「脱炭素経営」に取り組む企業が増加し、サプライチェーンを通じて、地域の企業にも波及している状況を受けて、令和2年10月~12月に「地球温暖化対策の推進に関する制度検討会」を開催し、地球温暖化対策の更なる推進に向けた今後の制度的対応の方向性について取りまとめられたこと等を踏まえ、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正されることになったものです。

法律案の概要は次のとおり。

  1. パリ協定・2050年カーボンニュートラル宣言等を踏まえた基本理念の新設
    パリ協定に定める目標を踏まえ、2050年までの脱炭素社会の実現、環境・経済・社会の統合的向上、国民を始めとした関係者の密接な連携等を、地球温暖化対策を推進する上での基本理念として規定
  2. 地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業を推進するための計画・認定制度の創設
    地方公共団体実行計画に、施策の実施に関する目標を追加するとともに、市町村は、地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業(地域脱炭素化促進事業)に係る促進区域や環境配慮、地域貢献に関する方針等を定めるよう努める
  3. 脱炭素経営の促進に向けた企業の排出量情報のデジタル化・オープンデータ化の推進等
    企業の温室効果ガス排出量に係る算定・報告・公表制度について、電子システムによる報告を原則化するとともに、これまで開示請求の手続を経なければ開示されなかった事業所ごとの排出量情報について開示請求の手続なしで公表される仕組みとする
  4. また、地域地球温暖化防止活動推進センターの事務として、事業者向けの啓発・広報活動を追加する。

参考 報道発表資料
https://www.env.go.jp/press/109218.html