気象庁は令和3年10月25日に、同庁が運営を担う世界気象機関(WMO)の温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)の解析によれば、大気中の主要な温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素)の増加が続いており、2020年の世界平均濃度はいずれも観測史上最高を更新したと発表した。
同センターは世界中の温室効果ガス観測データの収集、解析を行っており、2020年までの温室効果ガスの世界平均濃度に関する解析結果等に基づいて、10月25日に「温室効果ガス年報(Greenhouse Gas Bulletin)第17号」として公表したものです。
本年報によると、2019年から2020年までの濃度の増加量は、CO2は過去10年間平均と同程度の2.5ppmで、メタンは過去10年間平均より大きい11ppbとなったとしています。
WMO全球大気監視(GAW)計画から得られた観測成果の最新の解析によると、2020年の二酸化炭素(CO2)の現場観測ネットワークによる地上での世界平均濃度は、413.2±0.2ppmとなり、解析開始以来の最高値を更新し、この値は、工業化以前(1750年以前)の149%に相当するとしています。
また、本年報は、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)(10月31日~11月12日、英国・グラスゴー)で配布され、国際的な気候変動対策の基礎資料として用いられる予定とのことです。
参考 気象庁報道発表資料
https://www.jma.go.jp/jma/press/2110/25b/GHG_Bulletin_17.html