R4年12月24日(土)、講師に東京大学未来ビジョン研究センター/教授の高村 ゆかり氏をお迎えし、「未来を拓く脱炭素社会を目指して」をテーマに、「地球温暖化NOW!」講演会を実施しました。
第1部では、「IPCCの最新報告(第6次)から見えてきた地球の未来について」をテーマにIPCC第6次報告書など最新の科学的知見や地球温暖化を取り巻く状況や動向や国内外の取り組みなど話をされ、世界全体がカーボンニュートラルを目標に掲げ、COP26では世界は気温上昇を1.5℃に抑えるという目標を掲げた。2050年カーボンニュートラルの実現に加えて、ここ10年、2030年ごろまでの排出削減が決定的に重要という認識が共有されるなど、世界はカーボンニュートラルに向かって動き出していると説明されるとともに、1.5℃目標と削減目標(NDC)のギャップを埋めるためには、私たちは今ある技術で排出を減らすことと、さらにその先に排出を減らすソリューション、社会のしくみを作り替えるこのふたつの作業を行っていくこととなると説明された。
第2部では、「求められる私たちの役割や行動について」テーマに、脱炭素社会をめざす道標として、政府では脱炭素化をめざすため、温対法、省エネ法など法改正が進み、企業も大きく動き出していること、また、2050年までにCO2排出実質ゼロを目指す自治体は全国800を超えていることなどを紹介された。
今や、気候変動問題が単なる環境問題、社会貢献ではなく、科学が危機感を明確化し、今後も政府、企業、自治体、地域が真摯に取り組んでいかなければならない。私たちも、脱炭素で持続可能な地域をつくるという視角が必要であり、私たちの足下、住む地域で実現しないと社会全体がカーボンニュートラルにならず、私たちの地域はどういう取り組みをしているのか考えていくことが大切であると締めくくられました。