温暖化とは

産業革命以降、人間の活動による化石燃料の使用や森林の減少などにより、大気中に二酸化炭素などの温室効果ガスが蓄積され、その急激な増加によって地球規模で気温や海水温が上昇しています。

この結果、世界の平均的気温の上昇のみならず、異常高温や大雨・干ばつが増加し、水資源や農作物に影響が及び、将来、食糧や生態系、健康への深刻な被害を引き起こすのではないかと心配されています。

気候の変動によって起きると予測される事態に対して、どう対処し、解決策を見出していくか、今、真剣に考えなければなりません。

環境省は4月12日、2019年度の温室効果ガスの総排出量は12億1,200万トン(二酸化炭素(CO₂)換算)で、前年度比2.9%減(2013年度比14.0%減、2005年度比12.3%減)で、2014年度以降6年連続で減少との確報値を発表した。

 

前年度と比べて排出量が減少した要因としては、エネルギー消費量の減少(製造業における生産量減少等)や、電力の低炭素化(再エネ拡大)に伴う電力由来のCO₂排出量の減少等が挙げられている。

2013年度と比べて排出量が減少した要因としては、エネルギー消費量の減少(省エネ等)や、電力の低炭素化(再エネ拡大、原発再稼働)に伴う電力由来のCO2排出量の減少等が挙げられ、2005年度と比べて排出量が減少した要因としては、エネルギー消費量の減少(省エネ等)等が挙げられるとしている。

また、総排出量の減少に対して、冷媒におけるオゾン層破壊物質からの代替に伴う、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量は年々増加しているとしている。

また、2019年度の家庭部門のCO₂排出量は1億5,900万トンであり、前年度と比べて690万トン(4.2%)減少し、2013年度と比べて それぞれ4,840万トン(23.3%)減少、2005年度と比べて 1,130万トン(6.6%)減少となっており、 前年度からの排出量の減少は、電力のCO₂排出原単位の改善により電力消費に伴う排出量が減少したことや、暖冬だった前年度以上に全国的に冬の気温が高かったこと等によりエネルギー消費量が減少したこと等によるとされている。

今回の確報値の公表に関して、小泉環境大臣は、「2014年度以降6年連続で減少、これは削減目標の基準年から14%の減少に相当する。排出量を算定している1990年度以降過去30年間で最も少ない排出量であり、2年連続で過去最少の排出量を更新した」とされ、「これらは、省エネの進展や再エネの拡大など国民の皆さまの取組が反映されたもので、評価されるべきことと考えている。他方で、今回の結果を楽観視せず、引き続き取組を進めていく必要があり、2050年カーボンニュートラルに向けては、この5年、10年の取組が決定的に重要だと認識している。地球温暖化対策計画の見直しを進めるとともに、自治体、企業、国民などあらゆる主体の取組がますます加速するように今後も全力を尽くしてまいりたい」とコメントされた。

 

(参考)環境省報道発表資料 2019年度(令和元年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について
https://www.env.go.jp/press/109480.html

気象庁は3月29日に、日本付近の大気中の二酸化炭素濃度は年々増加を続けており、2020年も陸上、洋上及び上空の観測全てにおいて観測史上最高を更新したと発表しました。

気象庁では、地球温暖化の主要因である大気中の温室効果ガスの観測(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、代替フロン)を、日本を含む北西太平洋域の陸上、洋上、上空で立体的に行っており、2020年(1月~12月)の二酸化炭素の観測結果を取りまとめたところ、地上観測地点、観測船による北西太平洋域の洋上、航空機による日本の南東上空の濃度はいずれも観測史上最高を更新したとのことです。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動制限措置等の影響により、2020年の世界の人為起源の二酸化炭素排出量は、前年に比べ減少したことがグローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)で報告されているが、その減少量は大気中の二酸化炭素濃度の自然の年々変動の範囲内であるとし、日本付近における大気中二酸化炭素濃度は引き続き増加しており、今後も監視を継続していくとしている。

 

(参考)報道発表資料
https://www.jma.go.jp/jma/press/2103/29a/2021co2.pdf

気象庁、環境省は3月30日に、生態環境の変化や気候変動の生態系への影響把握、身近な生物の観察を通じた四季の変化や生物への関心を高める活動等、「生物季節観測」の発展的な活用に向けて、気象庁、環境省、国立環境研究所が連携した試行的な調査を開始する発表しました。

気象庁では、季節の遅れ進み、気候の違い・変化を的確に捉えることを目的として、生物季節観測を昭和28年(1953年)から全国で統一した観測方法で開始し、令和2年1月現在、全国の気象台・測候所58地点で植物34種目、動物23種目を対象に、「さくらの開花」や「かえでの紅葉」、「いちょうの黄葉」、開花の初鳴き等を観測していたが、近年は気象台・測候所周辺の生物の生態環境が変化しており、植物季節観測においては適切な場所に標本木を確保することが難しくなってきており、また、動物季節観測においては対象を見つけることが困難となってきているなどの理由で、昨年(2020年)11月10日に、気候の長期変化(地球温暖化等)及び一年を通じた季節変化やその遅れ進みを全国的に把握することに適した代表的な種目・現象を継続し、その他は廃止することとし、生物季節観測は、令和3年1月より、「さくらの開花・満開」や「かえでの紅葉・落葉」など6種目9現象を対象とするとされました。

今回の発表では、今後の調査枠組については、これまでの観測データとの継続性を保った調査(「調査員調査」)と広く一般の方まで参加する調査(「市民参加型調査」)がそれぞれ求められるとして、まず、「市民参加型調査」につながる試行調査を開始するとされました。

さらに、「市民参加型調査」につながる試行調査の進捗も踏まえながら、試行期間中に、国立環境研究所が中心となって、約70年の観測データの継続性の観点を重視した「調査員調査」につながる試行調査も立ち上げる予定とされています。

今後、気象庁、環境省、国立環境研究所では、これら試行調査の結果を踏まえて、効果的な調査枠組の検討を進めていく予定とされており、「生物季節観測」の発展的な広がりが期待されています。

 

(参考)気象庁、環境省同時発表資料
「生物季節観測」の発展的な活用に向けた試行調査の開始について
https://www.jma.go.jp/jma/press/2103/30a/seibutsu_shikouchousa.pdf

日本では、まだ食べることができる食品が日常的に廃棄され、大量の食品ロスが発生しています。

日本の食料自給率は低く、食料の多くを海外からの輸入に依存する中、世界では深刻な飢えや栄養不良で苦しむ多くの人々が存在しており、食品ロスの削減は真摯に取り組むべき課題です。また、食料の生産に伴うCO₂排出量は、世界全体の排出量の約25%を占めるとされており、廃棄された食料のために、さらにCO₂が排出されることからも、食品ロス削減はCO₂排出量の削減にもつながり、気候変動の抑制効果も期待されています。

国においては、食品ロスの削減を総合的に推進するため、令和元年(2019年)5月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」を制定し、食品ロスの削減を「国民運動」として位置付けるなど、削減の機運はますます高まっています。

滋賀県においても、食品ロスを減らす県民運動「三方よし!!でフードエコプロジェクト」を立ち上げ、食品ロス削減への各種取組が推進されてきたところであり、令和3年(2021年)3月、これまでの取組を活かしつつ、食品ロス削減に向けた取組を一層推進するために「滋賀県食品ロス削減推進計画」が策定されました。

この計画では、「売り手よし!」、「買い手よし!」、「環境よし!」の「三方よし」の精神のもと、誰もが笑顔で「よし!!」となる食品ロス削減の取組を推進し、県民総参加で「食品(フード)」の「環境保護への取組(エコ)」を実践していくとされています。

「滋賀県食品ロス削減推進計画 ~三方よしと県民総参加でフードエコ~」の本文は、以下のURLでご覧ください。

 

「滋賀県食品ロス削減推進計画 ~三方よしと県民総参加でフードエコ~」
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5237758.pdf

 

世界では、プラスチックごみが河川等を通じて内陸から海へ流れ込み、生態系を含めた環境の悪化をもたらしており、大きな課題となっています。さらには、近年、マイクロプラスチックによる環境への影響についても懸念されています。

こうした中、国では、ワンウェイプラスチック製容器に頼るライフスタイルの変革を促すことを目指して、令和元年(1019年)5月に「プラスチック資源循環戦略」が策定され、令和2年(2020年)7月にレジ袋有料化が義務付けられるなどプラスチックごみ削減に対する各種取組が進められています。

 

滋賀県においても、令和元年(2019年)8月には、事業者、県民団体、行政を構成員とする「滋賀県買い物ごみ・食品ロス削減推進協議会」と県との連名で、「滋賀プラスチックごみゼロ・食品ロス削減宣言」を行ったところであり、この宣言を踏まえ、令和3年3月に「滋賀プラスチックごみゼロに向けた実践取組のための指針」が策定されました。

この指針は、プラスチックごみの3Rや適正処理の更なる徹底を図るため、普段の日常生活や事業活動において、どのようなことに気を付ければよいのか、どのようなことができるのか、取組内容の例示を参考に、県民、事業者等において、一人ひとりが考え、実践し取り組むきっかけとなることを目的とし、ごみを出さないライフスタイルへの転換を目指して、県全体でプラスチックごみゼロに向けたムーブメントを起こし、実践的な取組を促進していくとされています。

「滋賀プラスチックごみゼロに向けた実践取組のための指針」の本文は、以下のURLでご覧ください。

 

「滋賀プラスチックごみゼロに向けた実践取組のための指針」
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5237756.pdf

「滋賀の環境2020(令和2年版環境白書)」は、滋賀県環境基本条例第9条に基づく年次報告書であり、琵琶湖の水質や気候変動など滋賀の環境の現況および滋賀県が環境保全に関して取り組んだ施策について取りまとめられたものです。

また、平成31年3月に策定された「第五次滋賀県環境総合計画(計画期間:平成31年度~令和12年度)における滋賀県が目指すべき将来像や基本目標なども示され、併せて、第五次計画の進捗状況の点検も行われています。

 

滋賀の環境2020(令和2年版環境白書)|滋賀県ホームページ
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kankyoshizen/kankyou/317333.html

「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」が3月2日(火)に閣議決定され、第204回通常国会に提出される予定です。

本法案は、パリ協定に定める目標(世界全体の気温上昇を2℃より十分下回るよう、更に1.5℃までに制限する努力を継続)等を踏まえ、我が国は、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言したことや地域では2050年カーボンニュートラルを目指す「ゼロカーボンシティ」を表明する自治体が増加し、企業ではESG金融の進展に伴い、「脱炭素経営」に取り組む企業が増加し、サプライチェーンを通じて、地域の企業にも波及している状況を受けて、令和2年10月~12月に「地球温暖化対策の推進に関する制度検討会」を開催し、地球温暖化対策の更なる推進に向けた今後の制度的対応の方向性について取りまとめられたこと等を踏まえ、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正されることになったものです。

法律案の概要は次のとおり。

  1. パリ協定・2050年カーボンニュートラル宣言等を踏まえた基本理念の新設
    パリ協定に定める目標を踏まえ、2050年までの脱炭素社会の実現、環境・経済・社会の統合的向上、国民を始めとした関係者の密接な連携等を、地球温暖化対策を推進する上での基本理念として規定
  2. 地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業を推進するための計画・認定制度の創設
    地方公共団体実行計画に、施策の実施に関する目標を追加するとともに、市町村は、地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業(地域脱炭素化促進事業)に係る促進区域や環境配慮、地域貢献に関する方針等を定めるよう努める
  3. 脱炭素経営の促進に向けた企業の排出量情報のデジタル化・オープンデータ化の推進等
    企業の温室効果ガス排出量に係る算定・報告・公表制度について、電子システムによる報告を原則化するとともに、これまで開示請求の手続を経なければ開示されなかった事業所ごとの排出量情報について開示請求の手続なしで公表される仕組みとする
  4. また、地域地球温暖化防止活動推進センターの事務として、事業者向けの啓発・広報活動を追加する。

参考 報道発表資料
https://www.env.go.jp/press/109218.html

アメリカは19日、地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」に正式復帰した。

国連のグテレス事務総長は同日、パリ協定復帰を記念するオンラインイベントに参加し、アメリカの復帰を歓迎した。

アメリカは、二酸化炭素排出量では、中国に次いで世界第2位の排出国であることから、アメリカには強いリーダーシップが期待されている。

滋賀県は2月2日に、3年ぶりに「琵琶湖の全層循環」、いわゆる「琵琶湖の深呼吸」を確認したと発表した。2月1日(月)に琵琶湖環境科学研究センターが琵琶湖の水質調査を実施したところ、琵琶湖北湖で全層循環を確認したもの。

滋賀県の三日月知事は、「ほっとした。」とコメントされ、「引き続き、気候変動に対して危機感をもって琵琶湖の研究・調査を進めていきたい」とされ、また、3年間確認されなかったので、底層の生きものの確認など琵琶湖の健康状態には引き続き注視するとして、「今後、琵琶湖から見えるもの、知らせてくれるものをキャッチして、気候変動の取り組みの促進やCO₂ネットゼロの取り組み」につなげていきたいともコメントされた。

琵琶湖北湖では、例年、例年2月上旬から中旬にかけて、表層から底層で水温やDO(溶存酸素)などの水質が一様となる全層循環が確認されているが、、平成 30 年度は昭和 54 年度の調査開始以降初めて全層循環が確認できず、翌令和元年度も2年連続で全層循環が確認できなかった。

 

(参考) 3年ぶりに琵琶湖北湖の全層循環を確認!|滋賀県ホームページ
https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/e-shinbun/oshirase/316654.html 

「大津市の環境 令和2年度版環境白書」が発行されました。この環境白書は、大津市環境基本条例第16条に基づき、2019(令和元)年度における大津市の環境の状況及び環境の保全と創造のため講じた施策などを中心に取りまとめられたものです。

以下のURLの「デジタルブック版」でご覧ください。

 

大津市の環境 令和2年度版環境白書|大津市ホームページhttps://www.city.otsu.lg.jp/soshiki/030/1121/g/kokai/38634.html