滋賀県では、平成27年9月に制定された「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」に基づいて、平成29年3月に「琵琶湖保全再生施策に関する計画」が策定され、国民的資産である琵琶湖を健全で恵み豊かな湖として保全および再生を図るために実施すべき施策が行われている。
現行計画が令和2年度末で計画期間が満了することから、県では、次期計画の策定作業が進められており、今般、11月18日に、県環境審議会から次期計画に係る答申がなされた。
これまでの取り組みにより、琵琶湖の水質については、改善傾向が見られるとしながらも、在来魚介類の減少や水草の大量繁茂、外来動植物の侵入・定着といった課題が残されているとし、加えて、現計画策定後、プラスチックごみ問題の顕在化や気候変動の影響として懸念されている琵琶湖北湖の全層循環の未完了といった新たな課題も生じているとしている。
次期計画では、こうした状況を踏まえ、新たな課題への対応として、気候変動の影響も視野に入れ、水質と生態系のつながりに着目した新たな水質管理手法の検討や琵琶湖北湖の全層循環の未完了とそれに伴う北湖深水層の貧酸素状態の長期化など気候変動の影響と考えられる未経験の現象に対する効果的なモニタリングの実施など気候変動適応策につながる科学的知見の収集、また、海洋で生態系への影響が懸念されているマイクロプラスチックにつては、琵琶湖でも検出されているこことから、発生メカニズム等の実態や生態系への影響などマイクロプラスチックに関する科学的な知見の収集等の実施を位置付けている。
また、計画期間は令和3年度(2021年度)から令和7年度(2025年度)までの5年間とされている。
今後の予定としては、この答申を踏まえ、県の計画(案)として、12月下旬ころにパブリックコメントを実施し、その後、議会への報告などを経て、来年3月には、第2期計画として策定される見込み。
参考 琵琶湖保全再生施策に関する計画 第2期(答申)
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5211911.pdf