改正地球温暖化対策推進法が成立

2021/06/01

2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標が盛り込まれた改正「地球温暖化対策の推進に関する法律」が、令和3年5月26日の参議院本会議において、全会一致で可決成立しました。改正法では、パリ協定や政府の2050年カーボンニュートラル宣言等を踏まえ、条文に「基本理念」が新設され、その中では「2050年までの脱炭素社会の実現」が明記されました。

改正法の主なポイントは次のとおりです。

1.パリ協定・2050年カーボンニュートラル宣言等を踏まえた基本理念の新設

  • パリ協定に定める目標を踏まえ、2050年までの脱炭素社会の実現、環境・経済・社会の統合的向上、国民を始めとした関係者の密接な連携等を、地球温暖化対策を推進する上での基本理念として規定。
  • これにより、政策の方向性や継続性を明確に示すことで、あらゆる主体(国民、地方公共団体、事業者等)に対し予見可能性を与え、取組やイノベーションを促進。

2.地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業を推進するための計画・認定制度の創設

  • 地方公共団体が定める地球温暖化対策の実行計画に、施策の実施に関する目標を追加するとともに、市町村は、地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業(地域脱炭素化促進事業)に係る促進区域や環境配慮、地域貢献に関する方針等を定めるよう努めることとする。
  • 市町村から、実行計画に適合していること等の認定を受けた地域脱炭素化促進事業計画に記載された事業については、関係法令の手続ワンストップ化等の特例※を受けられることとする。
  • これにより、地域における円滑な合意形成を図り、その地域の課題解決にも貢献する地域の再エネを活用した脱炭素化の取組を推進。地域における円滑な合意形成を図り、その地域の課題解決にも貢献する地域の再エネを活用した脱炭素化の取組を推進。

3.脱炭素経営の促進に向けた企業の排出量情報のデジタル化・オープンデータ化の推進等

  • 企業の排出量に係る算定報告公表制度について、電子システムによる報告を原則化するとともに、開示請求の手続なしで公表される仕組みとする。
  • また、地域地球温暖化防止活動推進センターの事務として、事業者向けの啓発・広報活動を追加する。
  • これにより、企業の排出量等情報のより迅速かつ透明性の高い形での見える化を実現するとともに、地域企業を支援し、我が国企業の一層の取組を促進。

 

(参考)地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の概要
https://www.env.go.jp/press/files/jp/115718.pdf