温暖化とは

産業革命以降、人間の活動による化石燃料の使用や森林の減少などにより、大気中に二酸化炭素などの温室効果ガスが蓄積され、その急激な増加によって地球規模で気温や海水温が上昇しています。

この結果、世界の平均的気温の上昇のみならず、異常高温や大雨・干ばつが増加し、水資源や農作物に影響が及び、将来、食糧や生態系、健康への深刻な被害を引き起こすのではないかと心配されています。

気候の変動によって起きると予測される事態に対して、どう対処し、解決策を見出していくか、今、真剣に考えなければなりません。

国際エネルギー機関(IEA)の発表によると2018年の世界のCO₂排出量が世界全体で約331億トンとなり過去最多になったということです。この数値は前年比1.7%の増加で、伸び率も拡大しており地球温暖化の加速が懸念されています。

CO₂の排出量が増えた主な理由は、アジア等の発展途上国で石炭火力発電の利用が増えたこと、アメリカの経済成長が続いていること、世界各地で熱波や寒波が相次ぎ冷暖房の需要が増えたことがあげられています。

その中でも日本・ドイツ・フランスでは排出量は減っており、再生可能エネルギーへの更なる転換を加速する必要性を呼びかけています。

環境(E)社会(S)ガバナンス(G)に配慮した事業に投資するESG投資が各国で広まっています。2016年度の数値ですが、資産運用額に占めるESG投資の割合を見てみると欧州では52.8%、オーストラリア・ニュージーランドでも50.6%と半数を超えています。カナダでは37.8%、アメリカでは21.6%ですが、日本では僅か3.4%に留まっています。日本でのESGに係る投資拡大が望まれるところです。

また再生可能エネルギーの拡大を目指す取り組みにRE100があり、国際的に参加企業が増えています。

RE100(Renewable Energy 100%)とは、事業運営を2050年までに100%再生可能エネルギーで行うことを目標にしています。この取り組みは、国際環境NGOが2014年に開始したもので、2019年2月16日現在、全世界で164社が加盟しており日本は16社です。

アメリカのアップル社は、世界にある自社施設で使用する電力を100%再生可能エネルギー化し、更に同社に部品などを供給するサプラーヤー23社が100%クリーンエネルギーでの生産を約束したと伝えられています。

住宅用太陽光発電の余剰電力を固定価格で買い取る制度が2019年秋から順次、終了していくことになり、設置後10年を経過した家庭では、固定価格での売電はなくなります。

しかし、太陽光パネルは設置後20~30年は発電可能なので、10年を経過した後、余剰電力をどのように活用すればよいのか頭を痛めている家庭もあるようです。

その対応策として注目されているのが「仮想発電所」事業です。仮想発電所はVPP(バーチャルパワープラント)といい、例えば家庭など各地に分散的に点在する小規模な余剰電力を IT技術を使って連動させ、ネットワークでまとめて制御する仕組みで、全体としてあたかも一つの発電所のような働きをさせるという構想です。家庭で余った電力の有効活用の一つの仕組みとして成り行きが注目されています。

ご関心のある方は、資源エネルギー庁の説明動画をご覧ください。

 経済産業省・資源エネルギー庁のホームページです。説明動画「バーチャルパワープラント」。VPPの概要を動画で説明します。分散型エネルギーリソースをつなげて電気をより上手に使う社会へ「バーチャルパワープラント(VPP)」(経済産業省動画チャンネル METI CHANNEL)

再生可能エネルギーの普及・拡大策の進行に伴って、現在全国で2億枚近くの太陽光パネルが使われているようです。

太陽光パネルは設置後20~30年使用できるとされていますが、将来、耐用年数が過ぎたパネルが大量に廃棄されることが予測されます。不法な投棄が増えないように、経済産業省ではパネルの処理費用を確保する新しい制度の導入に取り組む作業を始めることになりました。

温暖化防止という環境保全のために設置された太陽光パネルが将来、環境汚染の材料にならないように制度が設けられることを期待します。

トヨタとパナソニックの両社は、電気自動車向けの電池を共同で生産する新会社を設立(来年)する方針を発表しました。エコな次世代の車として電気自動車(EV)への関心が高まっています。

EVを普及させるためには搭載する電池の性能を向上させることが急務です。今のリチウムイオン電池から更に性能が優れた「全固体電池」の開発競争も激しくなっています。

世界の自動車は地球温暖化防止の国際的な流れに沿って、大きく変革を遂げようとしています。

毎日の衣食住において少し工夫することで、温かく、かつ地球温暖化にストップをかける暮らしができます。冬の寒い今の時期にみんなで、もう一度「ウオームビズ」を考えてみましょう。

環境省の次のページから暮らしを工夫するヒントが得られます。ぜひご覧ください。

 
暖房時の室温を20℃で快適に過ごすライフスタイル 環境省では、平成17年度から冬期の地球温暖化対策のひとつとして、暖房時の室温を20℃で快適に過ごすライフスタイルを推奨する『WARM BIZ』(ウォームビズ)を呼びかけています。日本は、2030年度に向けて温室効果ガス排出量を26%削減(2013年度比)する目標を掲げています。政府では、率先した取組を自ら実施するために、暖房中の室温は「19℃を目途に過度にならないように適切に調整に努める」こととする方針を定め、地方公共団体からも同様の取組を行うよう協力を要請しています。暖房利用によるCO2を削減し、地球温暖化を防止しよう!

大きさが5ミリ以下という小さなプラスチック「マイクロプラスチック」が増え続けています。

海洋の浮遊量を観察している研究機関によると10年後の2030年頃には今の2倍に、更に2060年には4倍に増えるのではないかと懸念されています。マイクロプラスチックには有害物質が付着しやすく、魚などが飲み込むため、生態系への悪影響が心配されています。

大きな原因は日常生活で発生するプラごみの排出にあります。まず、プラごみを出来るだけ出さないように、またごみの分別をルールに従って行ない出来るだけリサイクルすることが求められています。

また、包装の改善など生産業者におけるプラごみ削減努力も大切です。SDGsの目標の一つである「つくる責任つかう責任」への認識を高めることも必要です。

アメリカの海洋大気局と航空宇宙局によると昨年の世界の平均気温は14.69℃で、前世紀の平均気温より0.79℃高くなっており、観測史上4番目の暑さとなったようです。その結果、暑さのワースト5まで、過去の5年間が占めることになります。

また、温暖化の影響と考えられている極端な気象上の現象が多発しており、更なる温暖化防止対策を加速させることが求められています。

気候変動に関する情報提供のプラットフォームです。滋賀県気候変動適応センター設置のニュースが掲載されています。ご覧ください。

 気候変動適応情報プラットフォームとは  「気候変動適応情報プラットフォーム」は、関係府省庁と連携し、利用者ニーズに応じた情報の提供、適応の行動を支援するツールの開発・提供、優良事例の収集・整理・提供などを行うことにより、地方公共団体や事業者、国民など各主体の活動基盤となるものです…

太陽光発電設備が今後とも設置地域の住民などから賛同が得られるように設置事業者に「環境アセスメント」を義務づける方針が検討されています。

これは設置前に、地盤・生態系など周辺に与える影響の調査・評価・説明を義務づけるもので、行き過ぎた開発や土砂崩れなどの災害を未然に防ぐ狙いがあります。

将来の健全な再生可能エネルギーの普及に貢献するような方針が決められることが期待されます。