温暖化とは

産業革命以降、人間の活動による化石燃料の使用や森林の減少などにより、大気中に二酸化炭素などの温室効果ガスが蓄積され、その急激な増加によって地球規模で気温や海水温が上昇しています。

この結果、世界の平均的気温の上昇のみならず、異常高温や大雨・干ばつが増加し、水資源や農作物に影響が及び、将来、食糧や生態系、健康への深刻な被害を引き起こすのではないかと心配されています。

気候の変動によって起きると予測される事態に対して、どう対処し、解決策を見出していくか、今、真剣に考えなければなりません。

水銀は重要な資源ですが、日本では水俣公害のこともありその毒性については良く知られているところです。2013年に水銀の使用による環境・公衆衛生上の問題を考え「水銀に関する水俣条約」が国際条約として結ばれました。そしてこの条約の発効が2020年です。

照明に使う水銀灯についても大手メーカーが2020年6月をもって、水銀ランプの製造中止を発表しています。

この条約の発効により一般照明用として使われている高圧水銀灯については、製造・輸出・輸入ができなくなります。

現在使用中の水銀灯を直ちに使用中止ということはない見通しですが、寿命が来て切れてしまった時に代替品が手に入らなくなります。従って、寿命が来る前に他の照明に変更しておくことが求められています。その代替案の筆頭がLED照明です。

LED化を進めることによって使用電力の節減になりコストメリットが得られるとともに、温暖化の原因とされるCO2の排出削減にもなります。

この機会に、水銀灯からLED照明に替える計画をお考えください。なお、本件を詳しく知るために下記の情報をご参考にご覧ください。

https://www.env.go.jp/chemi/tmms/convention.html(環境省)

https://www.meti.go.jp/press/2017/05/20170519007/20170519007.html(経産省)

https://www.jlma.or.jp/kankyo/suigin/docs/suiginMinamatajouyaku_kokunai161115.pdf(日本照明工業会)

先ごろ大阪で開催されたG20においてプラスチックごみによる海洋汚染問題が取りあげられ、すべての国や関係者の協力のもとで、国内的・国際的に対処する必要があり、海洋プラスチックごみなどの流出の抑制や大幅な削減のために適切な行動を速やかにとらなければならないとして、2050年までに新たな汚染をゼロにすることを目指す「大阪ブルーオーシャンビジョン」への賛同が発表されました。

わが国の廃プラスチックの総排出量は、903万トン(2017年)で、熱回収も含めた有効利用率は86%(うち熱回収が58%)となっており、後は焼却・埋め立てです。中国がプラスチックごみの輸入を禁止したことから日本国内のごみが増え、環境省では、国内のプラスチックごみの保管量の上限を2倍に引き上げ、ごみの受け入れ先の確保を目指しています。

 G20大阪サミットにて共有された,海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に向け,安倍総理は同サミットにおいて,日本は途上国の廃棄物管理に関する能力構築及びインフラ整備等を支援していく旨を表明した。そのため,日本政府は,(1)廃棄物管理(Management of Wastes),(2)海洋ごみの回収(Recovery),(3)イノベーション(Innovation),及び(4)能力強化(Empowerment)に焦点を当てた,世界全体の実効的な海洋プラスチックごみ対策を後押しすべく,「マリーン(MARINE)・イニシアティブ」を立ち上げる。
同イニシアティブの下で,以下の具体的な施策を通じ,廃棄物管理,海洋ごみの回収及びイノベーションを推進するための,途上国における能力強化を支援していく。

近年、ヨーロッパを中心にこの言葉が盛んに言われるようになりました。サーキュラーエコノミーとは、資源をムダにせず、再生し続ける「循環経済」を指す概念です。

資源を最大限に活用し、その価値を目減りさせずに永続的に再生・再利用し続けるというビジネスモデルを意味する言葉として使われています。SDGs(持続可能な開発)を目指すもので、近年注目される要因として、資源価格が高騰するきざしが見える、テクノロジーの進歩が技術的に可能な範囲を広げた等が指摘されています。

文字どおり環境と経済の両立を実現しようという取り組みで、日本が得意とする分野だと思われます。

https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/junkan_keizai/pdf/001_03_00.pdf

水素を活用して低炭素社会の実現に寄与するためにJR東日本では、この度、水素をエネルギー源とする燃料電池車(ハイブリッド車両)を製作し、実証試験を実施すると発表しました。2020年代半ばの実用化を目指すようです。

https://www.jreast.co.jp/press/2019/20190603.pdf

また新潟県では中山間地が多いという地理的特性を考慮して30人乗りの小型燃料電池バスの製造を県内で始める方針を決めたと報じられています。

同じような条件の地域がある地方は多いと思われますので、環境と地域の経済発展を考えた政策が他の地方でも推進されることが期待されています。新潟県では水素エネルギー社会を構築するための取り組みを推進しています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20190610/1030008024.html

http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Simple/69/69/houkokusho_883795,0.pdf

セブン&アイ・ホールディングスと日本コカ・コーラの両社は、ペットボトルの完全循環リサイクルの実現を目指した取り組みを6月10日から開始すると発表しました。店頭で回収したペットボトルを使用した再生PET樹脂を100%使っています。両社は、地球環境に配慮した商品開発を進めていくとしています。

https://www.7andi.com/company/news/release/20190605.html

自然に学び、自然を楽しむ自然家族事業「里山の日」。今回は、「里山の樹木調べと名札付け」を実施します。

  • 日時:7月6日() 10時~12時(雨天時は7日()に延期)
  • 場所:春日山公園(駐車場あり、最寄駅はJR堅田)
  • 対象:市内在住の4歳児~小学生の子どもとその保護者
  • 定員:20人程度(申込多数のときは抽選)
  • 参加費:無料

申込み:6月24日(月)までに電話またはFAX、Eメール(「里山の樹木調べと名札付け」参加希望、郵便番号、住所、参加者全員の氏名(ふりがな)、年齢(学年)、電話番号、を書いて)で大津市地球温暖化防止活動推進センターへ
TEL: 077-526-7545  FAX: 077-526-7581  E-mail: info@otsu.ondanka.net
問合せ:環境政策課 TEL: 077-528-2760

次世代送電網(スマートグリッド)とは、電力の流れを供給側と需要側の両方から制御し、電力使用の最適化を図るもので、太陽光や水力発電など再生可能エネルギーの供給量が天候などにより変動するとしても、コンピューターネットワークにより需給調整を行ないムダの少ない電力利用を目指すものです。これにより自立分散型の小電力も有効に活用できるようになります。

また、電気自動車に搭載した蓄電池や家庭用蓄電池をネットワークに組み入れることにより更に利用度を高めようとする研究が進められています。先日(5月)自動車メーカーのホンダとGMがブロックチエーン技術を活用して電気自動車と次世代送電網の共同研究を
始めるという報道がありました。

近い将来、次世代発電網が開発されて、再生可能エネルギーの普及に役立つことが期待されています。

(参)ブロック(データを記録した台帳)をチエーン(鎖)でつなぎネットワークをつくって情報を共有する技術

まだ食べられるのに賞味期限が来たからといって捨てられるなどのいわゆる「食品ロス」の量は、わが国の場合、年間643万トンに達し、人口一人当たり約50kgにもなります。

その中で、コンビニなどの食品販売店舗から出るものは事業系廃棄物のうち一般廃棄物に分類され、税金を使って廃棄処分されています。東京23区のある自治体の試算によると1kgあたり50~60円の費用がかかっているということです。

食品ロスを減らすことは経費の節減だけでなく、焼却に伴うCO₂の排出を削減して地球温暖化防止にも大きく寄与することができます。

この課題に真剣に取り組もうという大手コンビニなど食品販売店舗が増えています。具体的には賞味期限切れが近くなった食品について、ポイント還元をするなどして実質値引き販売をすることによって売りさばくという取り組みです。

今のところ弁当・おにぎり・麺類などが対象で、今後、食品のアウトレット販売として「まだ食べられるのにもったいない」という消費者の気持ちに支えられて広がっていくことを期待したいと思います。アウトレット食品の売り手と買い手をマッチングするアプリも開発されています。

大津市センターにおいても昨秋開催した「おおつ環境情報合同交流会」でグループ討議のテーマとして「食品ロス」を取り上げ(2年連続)、市民の皆さんから多くのご意見をいただきました。

アンモニアは医薬品や化学繊維・肥料などの生産のために不可欠な原料で、世界で年間約2億トンが製造されています。しかし製造過程において高圧・高温が必要であり、原料の水素は化石燃料から取り出しており、多くのCO₂が排出されています。

マメ科の植物に寄生する「根粒菌」が空気中の窒素からアンモニアを作り出していることに着目した東京大学の研究グループ(西林仁昭教授)がこの菌に似た働きをする触媒の開発に成功し、この触媒を使うことによって、常温常圧に近い状態で、水と窒素ガス(化石燃料からの水素ガスを使用せずに)からアンモニアを作ることができたということです。

この研究が更に進みアンモニアの新製法に実用化されるとCO₂の排出削減に寄与することが期待されています。

2017年度の実績によると日本の新車販売は従来のガソリン車が63.3%を占めており、CO2の排出量が少ないいわゆる次世代型の車についてみるとハイブリッド車が31.7%で、電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車・燃料電池車などは合わせても1%程度にとどまっています。経産省や国交省では、2030年までに車から排出するCO2の削減に取組むために燃費の更なる改善を自動車メーカーに求めることになります。

2030年(パリ協定の目標年度)にはガソリン車の比率を50%以下とし、次世代型の車を50~70%に増やす目標で、電気自動車の普及率も20~30%になることを目指しています。また従来は、EVは走行時にCO2を排出しないとされてきましたが、走行に必要な電気をつくる際に化石燃料などを消費することから、EVも環境に負荷をかけるという考え方に転換することも検討されているようです。

EVの普及に合わせて、その電源をどうするかについては、化石燃料を消費しない電源確保が今後の大きな課題になると思われます。