温暖化とは

産業革命以降、人間の活動による化石燃料の使用や森林の減少などにより、大気中に二酸化炭素などの温室効果ガスが蓄積され、その急激な増加によって地球規模で気温や海水温が上昇しています。

この結果、世界の平均的気温の上昇のみならず、異常高温や大雨・干ばつが増加し、水資源や農作物に影響が及び、将来、食糧や生態系、健康への深刻な被害を引き起こすのではないかと心配されています。

気候の変動によって起きると予測される事態に対して、どう対処し、解決策を見出していくか、今、真剣に考えなければなりません。

2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標が盛り込まれた改正「地球温暖化対策の推進に関する法律」が、令和3年5月26日の参議院本会議において、全会一致で可決成立しました。改正法では、パリ協定や政府の2050年カーボンニュートラル宣言等を踏まえ、条文に「基本理念」が新設され、その中では「2050年までの脱炭素社会の実現」が明記されました。

改正法の主なポイントは次のとおりです。

1.パリ協定・2050年カーボンニュートラル宣言等を踏まえた基本理念の新設

  • パリ協定に定める目標を踏まえ、2050年までの脱炭素社会の実現、環境・経済・社会の統合的向上、国民を始めとした関係者の密接な連携等を、地球温暖化対策を推進する上での基本理念として規定。
  • これにより、政策の方向性や継続性を明確に示すことで、あらゆる主体(国民、地方公共団体、事業者等)に対し予見可能性を与え、取組やイノベーションを促進。

2.地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業を推進するための計画・認定制度の創設

  • 地方公共団体が定める地球温暖化対策の実行計画に、施策の実施に関する目標を追加するとともに、市町村は、地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業(地域脱炭素化促進事業)に係る促進区域や環境配慮、地域貢献に関する方針等を定めるよう努めることとする。
  • 市町村から、実行計画に適合していること等の認定を受けた地域脱炭素化促進事業計画に記載された事業については、関係法令の手続ワンストップ化等の特例※を受けられることとする。
  • これにより、地域における円滑な合意形成を図り、その地域の課題解決にも貢献する地域の再エネを活用した脱炭素化の取組を推進。地域における円滑な合意形成を図り、その地域の課題解決にも貢献する地域の再エネを活用した脱炭素化の取組を推進。

3.脱炭素経営の促進に向けた企業の排出量情報のデジタル化・オープンデータ化の推進等

  • 企業の排出量に係る算定報告公表制度について、電子システムによる報告を原則化するとともに、開示請求の手続なしで公表される仕組みとする。
  • また、地域地球温暖化防止活動推進センターの事務として、事業者向けの啓発・広報活動を追加する。
  • これにより、企業の排出量等情報のより迅速かつ透明性の高い形での見える化を実現するとともに、地域企業を支援し、我が国企業の一層の取組を促進。

 

(参考)地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の概要
https://www.env.go.jp/press/files/jp/115718.pdf

令和3年5月24日、菅総理は、第3回気候変動対策推進のための有識者会議を開催し、この会議での地球温暖化対策計画及びパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略、エネルギー基本計画等についての議論を踏まえ、

「4月の気候サミットにおいて、我が国は、2030年度の46パーセント削減目標を表明した。本日の意見も踏まえながら、徹底した省エネや、再エネなどの最大限の導入、公共部門や地域の脱炭素化など、あらゆる分野で、でき得る限りの取組を進め、その中で、50パーセント削減の高みにも挑戦していきたい。」とし、「さらにその先に、2050年カーボンニュートラルがあり、長期戦略では、将来の産業や地域のビジョンなど、2050年の長期目標に向けた方向性をお示しし、絶え間ない取組を続けてまいりたい。」と述べられました。

さらに、「6月中旬にはG7サミットが英国で開催されることから、我が国としては、目標の実現に向けて、取り組んでいく強い決意を示し、世界全体の脱炭素化に向けたG7の結束を更に強化し、日本のリーダーシップを示す機会としたい。」と述べられました。

関西広域連合では、温室効果ガス削減のための広域取組として、「関西夏のエコスタイル」を統一ポスター等により、広く呼びかけを行っています。

この取組は、構成府県市だけでなく、関係自治体、経済団体、および関西以外の広域連携団体(中部圏知事会、四国地球温暖化対策推進連絡協議会、九都県市首脳会議)とも連携して実施されています。

  • 1.呼びかけ内容
    夏季の適正冷房(室温28℃)および軽装勤務
  • 2.期間
    令和3年5月1日(曜日)~10月31日(曜日)上記期間内で、地域の気候等に合わせて取組を依頼

 

(参考)関西夏のエコスタイル
https://www.kouiki-kansai.jp/koikirengo/jisijimu/kankyohozen/carbonoffset/1246.html

野生動植物の安定した存続を図り将来の世代へと引き継いでいくためは、野生動植物の生息・生育場所(ビオトープ)の保全・再生のみならず、ビオトープ間の相互のつながりの形成(ネットワーク化)が重要です。

滋賀県では、ビオトープの保全・再生・ネットワーク化に関する長期的な構想である「滋賀県ビオトープネットワーク長期構想」を平成21年に作成し、取組を推進してきたところですが、今般、この度、当該長期構想について、自然環境や社会経済情勢の変化の状況等を踏まえて必要な見直しを行い、改定されましたのでお知らせします。

改正の概要

  • 重要拠点区域の見直し
    ビオトープとして重要な区域である重要拠点区域について、野生動植物の生息・生育の基盤となる植生単位の広がりを重視し、区域の見直しを行いました。
  • 生態回廊の追加
    野生動物の移動経路である生態回廊について、山地から田園域や市街地を通って琵琶湖へとつながる河川が持つ回廊としての役割に注目し、重要性の高い4河川を追加しました。
  • 保全・再生・ネットワーク化の推進方策
    ビオトープの保全・再生・ネットワーク化を推進するための方策の一環として、生物多様性の保全・再生を各主体の取り組みの中に組み込んでいく「生物多様性の主流化」や、生態系を活用した防災・減災(Ecosystem-based Disaster Risk Reduction (Eco-DRR))等の新たな考え方を追加しました。

詳しくは、以下のURLで滋賀県報道発表資料「滋賀県ビオトープネットワーク長期構想の改定について」をご覧ください。

「滋賀県ビオトープネットワーク長期構想の改定について」
https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/e-shinbun/oshirase/318278.html

令和3年4月22日、菅総理は、総理大臣官邸で第45回地球温暖化対策推進本部を開催し、「2030年度に、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指す」と表明されました。

この会議においては、2030年に向けた我が国の気候変動対策について議論が行われ、菅総理は、「集中豪雨、森林火災、大雪など、世界各地で異常気象が発生する中、脱炭素化は待ったなしの課題です。同時に、気候変動への対応は、我が国経済を力強く成長させる原動力になります。こうした思いで、私は2050年カーボンニュートラルを宣言し、成長戦略の柱として、取組を進めてきました。」と述べられ、そのうえで、「地球規模の課題の解決に向け、我が国は大きく踏み出します。2050年目標と整合的で、野心的な目標として、2030年度に、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指します。さらに、50%の高みに向けて、挑戦を続けてまいります。この後、気候サミットにおいて、国際社会へも表明いたします。

46%削減は、これまでの目標を7割以上引き上げるものであり、決して容易なものではありません。しかしながら、世界のものづくりを支える国として、次の成長戦略にふさわしい、トップレベルの野心的な目標を掲げることで、世界の議論をリードしていきたいと思います。」と述べられた。

また、記者からの「目標達成のための原発再稼働について」質問されたのに対して、「何と言っても、省エネ、再エネを中心に、大胆に対策を行っていきたいと思っています。まずは再エネを優先して行っていきたいと思います。」と答え、さらに、「再生可能エネルギーのうち特に力を入れたい分野について」質問に対しては、「まずは、海上風力というのは、そうなると考えています。さらに、太陽光も含めて、あるいはまた、全ての住宅について、徹底した再エネを考えています。」と述べられました。

環境省は4月12日、2019年度の温室効果ガスの総排出量は12億1,200万トン(二酸化炭素(CO₂)換算)で、前年度比2.9%減(2013年度比14.0%減、2005年度比12.3%減)で、2014年度以降6年連続で減少との確報値を発表した。

 

前年度と比べて排出量が減少した要因としては、エネルギー消費量の減少(製造業における生産量減少等)や、電力の低炭素化(再エネ拡大)に伴う電力由来のCO₂排出量の減少等が挙げられている。

2013年度と比べて排出量が減少した要因としては、エネルギー消費量の減少(省エネ等)や、電力の低炭素化(再エネ拡大、原発再稼働)に伴う電力由来のCO2排出量の減少等が挙げられ、2005年度と比べて排出量が減少した要因としては、エネルギー消費量の減少(省エネ等)等が挙げられるとしている。

また、総排出量の減少に対して、冷媒におけるオゾン層破壊物質からの代替に伴う、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量は年々増加しているとしている。

また、2019年度の家庭部門のCO₂排出量は1億5,900万トンであり、前年度と比べて690万トン(4.2%)減少し、2013年度と比べて それぞれ4,840万トン(23.3%)減少、2005年度と比べて 1,130万トン(6.6%)減少となっており、 前年度からの排出量の減少は、電力のCO₂排出原単位の改善により電力消費に伴う排出量が減少したことや、暖冬だった前年度以上に全国的に冬の気温が高かったこと等によりエネルギー消費量が減少したこと等によるとされている。

今回の確報値の公表に関して、小泉環境大臣は、「2014年度以降6年連続で減少、これは削減目標の基準年から14%の減少に相当する。排出量を算定している1990年度以降過去30年間で最も少ない排出量であり、2年連続で過去最少の排出量を更新した」とされ、「これらは、省エネの進展や再エネの拡大など国民の皆さまの取組が反映されたもので、評価されるべきことと考えている。他方で、今回の結果を楽観視せず、引き続き取組を進めていく必要があり、2050年カーボンニュートラルに向けては、この5年、10年の取組が決定的に重要だと認識している。地球温暖化対策計画の見直しを進めるとともに、自治体、企業、国民などあらゆる主体の取組がますます加速するように今後も全力を尽くしてまいりたい」とコメントされた。

 

(参考)環境省報道発表資料 2019年度(令和元年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について
https://www.env.go.jp/press/109480.html

気象庁は3月29日に、日本付近の大気中の二酸化炭素濃度は年々増加を続けており、2020年も陸上、洋上及び上空の観測全てにおいて観測史上最高を更新したと発表しました。

気象庁では、地球温暖化の主要因である大気中の温室効果ガスの観測(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、代替フロン)を、日本を含む北西太平洋域の陸上、洋上、上空で立体的に行っており、2020年(1月~12月)の二酸化炭素の観測結果を取りまとめたところ、地上観測地点、観測船による北西太平洋域の洋上、航空機による日本の南東上空の濃度はいずれも観測史上最高を更新したとのことです。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動制限措置等の影響により、2020年の世界の人為起源の二酸化炭素排出量は、前年に比べ減少したことがグローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)で報告されているが、その減少量は大気中の二酸化炭素濃度の自然の年々変動の範囲内であるとし、日本付近における大気中二酸化炭素濃度は引き続き増加しており、今後も監視を継続していくとしている。

 

(参考)報道発表資料
https://www.jma.go.jp/jma/press/2103/29a/2021co2.pdf

気象庁、環境省は3月30日に、生態環境の変化や気候変動の生態系への影響把握、身近な生物の観察を通じた四季の変化や生物への関心を高める活動等、「生物季節観測」の発展的な活用に向けて、気象庁、環境省、国立環境研究所が連携した試行的な調査を開始する発表しました。

気象庁では、季節の遅れ進み、気候の違い・変化を的確に捉えることを目的として、生物季節観測を昭和28年(1953年)から全国で統一した観測方法で開始し、令和2年1月現在、全国の気象台・測候所58地点で植物34種目、動物23種目を対象に、「さくらの開花」や「かえでの紅葉」、「いちょうの黄葉」、開花の初鳴き等を観測していたが、近年は気象台・測候所周辺の生物の生態環境が変化しており、植物季節観測においては適切な場所に標本木を確保することが難しくなってきており、また、動物季節観測においては対象を見つけることが困難となってきているなどの理由で、昨年(2020年)11月10日に、気候の長期変化(地球温暖化等)及び一年を通じた季節変化やその遅れ進みを全国的に把握することに適した代表的な種目・現象を継続し、その他は廃止することとし、生物季節観測は、令和3年1月より、「さくらの開花・満開」や「かえでの紅葉・落葉」など6種目9現象を対象とするとされました。

今回の発表では、今後の調査枠組については、これまでの観測データとの継続性を保った調査(「調査員調査」)と広く一般の方まで参加する調査(「市民参加型調査」)がそれぞれ求められるとして、まず、「市民参加型調査」につながる試行調査を開始するとされました。

さらに、「市民参加型調査」につながる試行調査の進捗も踏まえながら、試行期間中に、国立環境研究所が中心となって、約70年の観測データの継続性の観点を重視した「調査員調査」につながる試行調査も立ち上げる予定とされています。

今後、気象庁、環境省、国立環境研究所では、これら試行調査の結果を踏まえて、効果的な調査枠組の検討を進めていく予定とされており、「生物季節観測」の発展的な広がりが期待されています。

 

(参考)気象庁、環境省同時発表資料
「生物季節観測」の発展的な活用に向けた試行調査の開始について
https://www.jma.go.jp/jma/press/2103/30a/seibutsu_shikouchousa.pdf

日本では、まだ食べることができる食品が日常的に廃棄され、大量の食品ロスが発生しています。

日本の食料自給率は低く、食料の多くを海外からの輸入に依存する中、世界では深刻な飢えや栄養不良で苦しむ多くの人々が存在しており、食品ロスの削減は真摯に取り組むべき課題です。また、食料の生産に伴うCO₂排出量は、世界全体の排出量の約25%を占めるとされており、廃棄された食料のために、さらにCO₂が排出されることからも、食品ロス削減はCO₂排出量の削減にもつながり、気候変動の抑制効果も期待されています。

国においては、食品ロスの削減を総合的に推進するため、令和元年(2019年)5月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」を制定し、食品ロスの削減を「国民運動」として位置付けるなど、削減の機運はますます高まっています。

滋賀県においても、食品ロスを減らす県民運動「三方よし!!でフードエコプロジェクト」を立ち上げ、食品ロス削減への各種取組が推進されてきたところであり、令和3年(2021年)3月、これまでの取組を活かしつつ、食品ロス削減に向けた取組を一層推進するために「滋賀県食品ロス削減推進計画」が策定されました。

この計画では、「売り手よし!」、「買い手よし!」、「環境よし!」の「三方よし」の精神のもと、誰もが笑顔で「よし!!」となる食品ロス削減の取組を推進し、県民総参加で「食品(フード)」の「環境保護への取組(エコ)」を実践していくとされています。

「滋賀県食品ロス削減推進計画 ~三方よしと県民総参加でフードエコ~」の本文は、以下のURLでご覧ください。

 

「滋賀県食品ロス削減推進計画 ~三方よしと県民総参加でフードエコ~」
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5237758.pdf

 

世界では、プラスチックごみが河川等を通じて内陸から海へ流れ込み、生態系を含めた環境の悪化をもたらしており、大きな課題となっています。さらには、近年、マイクロプラスチックによる環境への影響についても懸念されています。

こうした中、国では、ワンウェイプラスチック製容器に頼るライフスタイルの変革を促すことを目指して、令和元年(1019年)5月に「プラスチック資源循環戦略」が策定され、令和2年(2020年)7月にレジ袋有料化が義務付けられるなどプラスチックごみ削減に対する各種取組が進められています。

 

滋賀県においても、令和元年(2019年)8月には、事業者、県民団体、行政を構成員とする「滋賀県買い物ごみ・食品ロス削減推進協議会」と県との連名で、「滋賀プラスチックごみゼロ・食品ロス削減宣言」を行ったところであり、この宣言を踏まえ、令和3年3月に「滋賀プラスチックごみゼロに向けた実践取組のための指針」が策定されました。

この指針は、プラスチックごみの3Rや適正処理の更なる徹底を図るため、普段の日常生活や事業活動において、どのようなことに気を付ければよいのか、どのようなことができるのか、取組内容の例示を参考に、県民、事業者等において、一人ひとりが考え、実践し取り組むきっかけとなることを目的とし、ごみを出さないライフスタイルへの転換を目指して、県全体でプラスチックごみゼロに向けたムーブメントを起こし、実践的な取組を促進していくとされています。

「滋賀プラスチックごみゼロに向けた実践取組のための指針」の本文は、以下のURLでご覧ください。

 

「滋賀プラスチックごみゼロに向けた実践取組のための指針」
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5237756.pdf