温暖化とは

産業革命以降、人間の活動による化石燃料の使用や森林の減少などにより、大気中に二酸化炭素などの温室効果ガスが蓄積され、その急激な増加によって地球規模で気温や海水温が上昇しています。

この結果、世界の平均的気温の上昇のみならず、異常高温や大雨・干ばつが増加し、水資源や農作物に影響が及び、将来、食糧や生態系、健康への深刻な被害を引き起こすのではないかと心配されています。

気候の変動によって起きると予測される事態に対して、どう対処し、解決策を見出していくか、今、真剣に考えなければなりません。

欧米の大手企業(アメリカのアップルやドイツのBMW、食品大手のスイスのネスレ、家具メーカーのスウェーデンのイケアなど)がパリ協定の発効を受けて自社事業で使用する電力の全てを再生可能エネルギーで賄うことを表明する中、日本においても積水ハウスがお客様が太陽光を使って発電した電力を購入して自社で使う電力の全てを再生可能エネルギーで賄う方針を表明しました。

住宅用の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の契約期間は10年で、2019年度が契約終了を迎える初年度となることから同社は、契約が終了した住宅のオーナーから余剰電力を購入する計画であるといわれます。

企業が事業で使う電力の全てを再生可能エネルギーで賄うという国際的なイニシャチブは「RE100」(Renewable Energy100%)といわれ今年1月末時点で世界の87社が加盟しており、達成目標年度を明示する企業も増えています。日本では、リコーも加盟しています。

フランス政府が2040年までに国内におけるガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止すると発表したのに続いて、イギリスでも同様の方針が出されました。

いずれも大気汚染やCO²排出の削減を目指すもので、この政策により電気自動車(EV)への移行など温暖化を抑制する対策が進むものと期待されています。

フランス国立科学研究センターの調査によると、温暖化による海水温の上昇などの影響でサンゴが死滅する白化現象が進んでいることが明らかになりました。

研究機関の探査船がこれまでに世界の海を5万キロ航行して調査した結果として、南太平洋のサモア周辺では最大90%のサンゴが白化し、ツバル周辺でも多くのサンゴが既に回復不可能な死滅状態になっているということです。また沖縄周辺では石垣島の国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」でおおよそ70%が白化していると報告されています。

潮の流れを利用して電気を起こす「海流発電」の実証実験が行われ、最大で30キロワットの発電に成功したと報じられています。

この実験は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と大手機械メーカーが黒潮の流れを利用して巨大なタービンを回して電気を起こすもので、鹿児島県で行なった今回の成功は世界で初めてということです。

世界的にも強い海流とされている黒潮を利用すれば太陽光発電より安定した電力が確保できると期待されており、平成32年の実用化を目指すとしています。

廃棄物の中で「食品ロス」(食べ残しごみなど全国で年間620万トン)を減らそうという取組みが進められています。

滋賀県では「食品ロスの削減推進」を廃棄物処理計画に位置付け、その目的達成のためこの度、協議会を発足させました。県内の自治体をはじめ、食品に関わる事業者や団体が参加し、「三方よしフードエコ推奨店」の認定なども行われる予定です。

食品廃棄物の焼却ごみを減らせることが期待されます。

国民運動COOL CHOICE(クールチョイス=賢い選択)が展開されていますが、環境省では経済産業省や国土交通省と共に、「できるだけ1回で受け取りませんか」キャンペーンに取り組みます。

このキャンペーンは、宅配便再配達防止のために行うプロジェクトで、受け取る時間帯や受け取る場所を指定することによって再配達を減らして、温暖化の原因とされるCO²の排出を抑制するものです。因みに再配達のトラックから排出されるCO²はおよそ42万トンで、東京山手線内側の面積の2.5倍の杉林が年間で吸収する二酸化炭素量に相当するそうです。

「できるだけ1回で受け取りませんか」キャンペーンサイト https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/butsuryu/

アメリカ海洋大気庁の発表によると2016年は世界の気温が3年連続して過去最高を記録したということです。その要因としてエルニーニョ現象が挙げられていますが、研究者たちによると全体的な地球温暖化の傾向は疑う余地がないといいます。

2016年は、地上気温と海面水温とを合わせた世界の平均気温は、20世紀の13.9℃を0.94℃上回り、1879年(138年前)にアメリカ海洋大気庁が観測を始めて以来、もっとも暑い年であったといわれています。21世紀に入っての16年間は全て、観測史上最も暑い年トップ17(1998年が8位に入っているだけ)にランクされています。

国連が2015年に定めたSDGs(持続可能な開発目標)について、達成状況を検証する会合が開かれ、その中で、グテーレス事務総長が、気候変動が食糧や水の不足を加速させていると指摘し、地球温暖化対策の新たな取組みである「パリ協定」の履行を強く求めたと報じられています。

SDGsは、193の加盟国によって採択された2030年までの世界の持続可能な発展を目指す長期的開発目標で、先進国を含むすべての国に対して豊かさを追求しながら地球を守るための行動を求めています。

具体的には17の目標が設定されており、その中に、資源や環境に配慮した生産・消費を重視すること、地球温暖化対策を推進すること、が含まれています。

山の手入れが行き届かず荒れ放題になっている山林が多いと指摘されている中、間伐材やおがくず等、木材の有効利用を促進するため、地域住民が木材の収集に参加し、木質バイオマス発電によって、電力の地産地消を進める取組みを国が検討しています。

大規模な発電設備では材料確保のために輸入材に頼ることになりますが、間伐材等による小規模な発電を地域で起こし地域の電源に活用(公共施設などで利用)する仕組みをつくることによって、再生可能エネルギーを増やそうという試みです。

民間では、「木の駅」プロジェクトが進んでいます。

ご存知のとおりCOOL CHOICE(賢い選択)は地球温暖化防止のための国民運動です。この夏のCOOL CHOICEを関西広域連合でもすすめます。その一つの方法として滋賀県各地で「クールシェア」をすすめます。

皆さんも積極的にご賛同・ご参加ください。